柏崎トルコ友好協会
会長 高橋 篤一
昨年2010年には、南紀串本町大島の樫野埼灯台下岩礁でトルコ軍艦エルトゥルル号が難破、大島島民の献身的な救助活動により69名のトルコ人乗組員が救助されて120年目に当たり盛大な慰霊祭が串本の海と陸で催されました。そして日本とトルコの友好親善交流の基点は1890年の串本町に有ります。串本を見ずして日本とトルコを語る事はできません。
かって柏崎にはトルコを紹介するテーマパーク『柏崎トルコ文化村』がありました。
テーマパーク入口にはトルコ本国政府より贈られた「トルコ建国の父 ケマル・アタチュルク」の騎馬像が堂々と建っていました。テーマパークの開所式と除幕式は当時の三笠宮両殿下をお招きし盛大に執り行なわれました。しかし残念ながら2度の大震災により像だけでも4.2メートルの高さの有る大きなブロンズ像は倒壊の危機に瀕し止む無く台座より下ろされたのでした。その移設先が串本町樫野埼灯台のある芝生広場で、エルトゥルル号慰霊碑のすぐ近くに建立されることとなり昨年6月にエルトゥルル号殉難慰霊祭と共に除幕されました。いわば柏崎から串本町へのお嫁入りでした。
これら2つの理由で 23年度の『柏崎トルコ友好協会』の主要行事の一つとして串本町を訪れる事となりました。心を込めて私たちを歓迎していただいた串本の皆様との出会いは感動の連続でした。ここに一端を紹介いたします。
①地元の『串本町文化協会』の皆さんと初めてお会いしたのがエルトゥルル号慰霊碑前。私たちを待ち受けておられた会長の丸石恵子様のお言葉「柏崎の皆様とは初めての出会いとは思われない・・・」「このケマル・アタチュルク像のお蔭で柏崎の皆さんとお会いできました・・・」で、すっかり感激、800キロメートルの長旅も忘れて両協会メンバーは打ち解け合いました。
② 丸石様から用意して頂いた生花で、「エルトゥルル号慰霊碑」に山田哲治柏崎市副市長による献花と全員深々と敬礼。さらに 少し歩いて、樫野埼灯台のある芝生で柏崎から串本に嫁いだ「アタチュルク像」に再会。西川正純前市長による献花と全員での敬礼をしました。西川さんとアタチュルク像とは不思議な縁が有ります。かっての「柏崎トルコ文化村」開所除幕式には三笠宮様と共に市長としてこの像に献花し、花を手向ける事、実に2度目です。
私たちも往時の思い出が迫る感激の一瞬でした。
エルトゥルル号慰霊碑に 慰霊碑前にて。両協会会員
献花される山田副市長
③ 柏崎トルコ友好協会の皆さんが特にビックリしたのは太平洋を眺める「アタチュルク像」が実に堂々としていたことです。台座も柏崎時代より50センチほど高く、総高さは8メートルくらいでしょうか。さらに銅像も周囲も素晴らしく綺麗に整いられ掃き清められ清掃されていました。
アタチュルク像前にて
④ 串本町トルコ友好協会丸石会長の言によれば「田嶋串本町長はエルトゥルル号遭難の9月16日に因み毎月16日にはこの慰霊碑を参拝されます。」との事。 心に染入るお話でした。
交流会開会のご挨拶
丸石串本トルコ文化協会会長
⑤ 夜の『串本町トルコ文化協会』と『柏崎トルコ友好協会』との交流会は串本ロイヤルホテルで執り行われ司会進行役は田嶋町長夫人です。
先ず、田嶋串本町町長より歓迎のご挨拶。そして最近大島のお寺から発見された古文書をご披露して頂きました。内容は「エルトゥルル号遭難者の乗組員は殆んどが船の爆発により大火傷を負っていた。治療に当たっていた地元の医師3人はトルコから支給される治療費を受け取らず、被災乗組員への見舞金に当てて下さい・・・」当時の県知事と3人の医師のやり取りの文書であり感動的な逸話でした。そして「これらの出来事を是非 映画化したい」との決意を述べられました。また、当夜の飲み物は田嶋町長よりのご馳走と聞いて当協会員は、ビックリし感激でしました。
歓迎のご挨拶 田嶋串本町町長
司会進行役の田嶋町長夫人
⑥ 串本町町議会議長の浜田さんから、「エルトゥルル号事件の95年後のイラン・イラク戦争で日本人二百数十名がトルコ航空機によりテヘラン空港より救出さられたのはエルトゥルル号遭難者を献身的に救助した大島島民へのトルコ人の恩返し。是非この史実を日本の義務教育教科書に載せたい。柏崎の皆さんと手を携えて運動しましょう。」とのお話に大きな拍手となりました。
⑦ 当日ご出席の串本のお二人 松本さん、沼谷さんから「私はとトルコよりトルコの名前を頂いてます。・・・」
とのお話。当方では予想も出来ないトルコと串本町との歴史的な結びつきな深さに感動させられました。
⑧ 圧巻は『串本町トルコ文化協会』によるトルコの民族舞踊でした。トルコ民族衣装に着替えられた婦人会員が本場トルコで見るよりも上手なのでは・・・と思わせる素晴らしい舞踊で、すでに10年に及ぶ練習を積み重ねられ各種のイベントにも参加されているとのことです。
謝辞を述べられる山田副市長
串本の皆様と一緒に・・・。左:山田副市長 中央:佐藤さんと田嶋町長
串本トルコ文化協会員によるトルコ民族舞踊
このようにして、楽しくも感動の連続に彩られた交流会の夜は更けてゆきました。
串本町の皆様に心より厚く御礼申し上げます。
またの再会を約して・・・・。
串本町の皆様 有難うございました。
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