矢川 悦郎
10月18日(月)
添乗員含めて23名の結団式は新潟空港ミーテングルーム。各界の名士ご歴々のこととて、少々控えめであったが、個性溢れる面々なので初対面でも目と目で了解しあって結束固いグループに出来上がった。仁川空港で乗り換えフライトだが、12時間の飛行は明日からに備えて睡眠の旅となった。イスタンブール到着が少々遅れたのでアンカラ行きの乗り換えは慌しかった。深夜到着はどうしてもこうなるがこれは仕方のないこと。
明日の学校訪問に備えて高橋会長の挨拶の英訳だけ済ませて就寝した。
10月19日(火)
8:30アタチュルク廟の早朝見学、何しろトルコ人から神様のように崇拝、尊敬される大統領だけあって朝から訪れる人が多い。小学生や幼稚園のこどもも引率されて表敬に来ている。トルコの歴史教育、愛国教育はこうして日常的に絶え間なく行われている。時間がないので内部まで見ることは出来ないので記念撮影もそこそこに次の訪問校「テビフィック フィクレット校」へ向かった。
到着すると門から玄関まで先生方と児童たちの歓声が沸き上った。驚いたことに10年前とはかなり校舎に変化があった。前庭ほとんどが増築校舎となっていて施設設備の充実ぶりが著しかった。個性教育に賭ける当局者の意気込みが感じられた。
握手!握手!歓声の響く中、アイセ校長先生と高橋会長の握手が交わされた。矢川も10年前の高校のスタッフに再びめぐり合って感激の握手をした。柏小の児童の絵画がすでに展示されていて、アイセさん、高橋会長、日本大使館の山中さん、吉田さんの入鋏で開会式テープカット、割れんばかりの拍手の中握手と友好のふれあいが始まった。
続いて講堂で友好歓迎のミーテングが行われた。アイセ校長先生は最大の歓迎と友好の心を流暢な英語で述べられた。日本、特に柏崎大好きの言葉にはジーンと来るものがあった。女性校長さんに相応しく美しいお顔にいっぱいの笑みを浮かべて語る様子はさすがであった。
ついで我らが旗頭、高橋会長の挨拶となった。これがまた大うけであった。去る3月の柏崎における「トルコ児童絵画展」のもたらした成果をつぶさに報告して拍手喝采であった。通訳の矢川が英訳に戸惑うくらいの格調高いスピーチであった。トルコの絵画展出品児童に「参加証書」を高橋会長が渡すと会場がどっと歓声を上げた。子どもたちの表情がとにもかくにも明るく素晴らしかった。日本大使館員の皆さんの言葉も「絵画展」はぜひ続けて両国の親善に貢献して欲しいとのことであった。大使館やウミットさん等の援助あってこそできるイベントであることを痛感した。続いて鋳金アーテスト原 益夫さんの「花瓶」がアイセさん、トルコ側主賓の「土日財団」のタイヤル会長へ贈呈されると「ウォーッ!」という声があがった。鋳金の素晴らしさほか何も感じられない、といった様子であった。
施設見学をさせてもらった。さすが当校の教育に賭ける意気込みが施設施設に表れていた。手芸を勉強している女の児童に聞いて見た。「学校は楽しいですか?」お訪ねたら「トルコはどこにいても、何をしても楽しいです、自分で選んで勉強するようになっていますから。」との答えだった。
「日本のことをどう思いますか?」には「とても好きです。トルコを助けてくれた国ですから」と返って来た。日本の子どもたちが果たして「エルトウルル号」のことを知っているだろうかと思ったことであった。
同行の吉野さんご夫妻が「紙風船」のプレゼントをしたら、児童も先生も大変喜んで、もっと欲しいということで吉野さんが帰ってから送ることを約束した。
高橋会長はさすが冷静、来年の柏崎での絵画展開催日と児童作品の依頼予約をアイセさんと大使館、そして仲介役のウミットさんと交わしたことは良かった。
正午の授業終了のチャイムとともに学校内が突然賑やかになった。昼食時間のようだ。廊下、階段、庭 みんなニコニコ、明るい学校でした。
お別れの挨拶をしてバスに乗り込んだ。見えなくなるまで手を振る子どもたち「テッシェキュレデレム(アリガトウ)」「テクラル ギョルシェルム(マタオアイシマショウ)」涙のお別れ。一路カッパドキアヘ。この後思わぬハプニングも起こるが今は知る由もなし。後のお楽しみ。
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